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『家族関係と心のケア』
(06/07/30 アクロス福岡)

市川カウンセリングオフィス代表
市 川 雅 美
藤川こども心療クリニック院長
藤 川 貞 敏
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 子どもの心の問題には発達障害(生来の問題)と環境から与えられる問題とがあります。不安・反抗・抑うつなど複雑に様々な問題が絡み合っているのが子どもの心です。不安な気持ちやうつのために反抗しているケースも多くみられます。生来のものと心の問題の混同から問題がさらに複雑化してしまいます。

うつや、不安な気持ちからダラダラしてしまったり、癇癪(かんしゃく)を起こしてしまったりする子どもに対して更に叱ってしまう。それがまた子どもの不安や抑うつを生んでしまう・・・という悪循環に陥ります。親子であっても「関係」は目に見えないもの。そこで大切になるのが「コミュニケーション」です。できるだけ「不健康なコミュニケーション」の時間を減らしていきましょう。そこで市川カウンセリングオフィスと藤川こども心療クリニックは、「健康なコミュニケーション」をつくるお手伝いをしています。ここでは3つの方法をお話します。

1.最後を最初に持ってこよう
2.無駄なやりとりは省こう
3.より健康な意思表示を許そう

この3つです。
まず、ひとつめは子どもが「○○して。」と要望を言ってきたときの対応についてです。「抱っこして。」「遊んで。」という子どもの要望に対して、忙しいときや余裕の無いときは特に「だめ。」と最初から断ってしまいがちです。そうすると子どもは泣いたり癇癪(かんしゃく)を起こしたりしてしまい、結局最終的に要望を聞かざるをえなくなります。

そこで、市川カウンセリングオフィスと藤川こども心療クリニックは「最初に要望を叶えてあげれば、子どもも親も無駄な労力を省ける」という向き合いかたを提案します。これが最後を最初に持ってくる、ということです。
ふたつめは、親が子どもに対して「○○しなさい。」と注意する際の対応についてです。親が一生懸命何度も同じことを注意しても、子どもは全く言うことを聞いてくれないということは多々あります。そこで、いくら親が何度言ったとしても子どもが実行しないことには意味が無いと考え、その「注意する行為」自体をやめようということを提案します。登校を嫌がる子どもに「学校に行きなさい。」と言う行為がこれに当てはまります。

最後は一見わかりにくいですが、とても重要な親子コミュニケーションの方法です。例えば、癇癪(かんしゃく)を起こした子どもにしぶしぶ親がおもちゃを買ってあげたとします。するとその子どもは「癇癪(かんしゃく)を起こせばおもちゃが買ってもらえる。」とインプットし、癇癪(かんしゃく)の力が伸びます。一見、癇癪(かんしゃく)を起こすのは悪いことのように思えますが、さらに悪いのは身体的症状に訴えだしたときです。「お腹が痛いって言えば学校行かなくていい。」「頭が痛いと言えば宿題しなくてもいいんだ。」と子どもが思い始めると、身体に訴える力が伸びてしまいます。子どもが身体的症状に訴えはじめるというのは大変危険な傾向です。それよりは、泣く・だだをこねる、といった行動のほうが断然健康な意思表示であるとみなし、より健康な意思表示のほうを許そう、身体に訴えだす前に許そうとするほうが、より健康的なコミュニケーションができるようになります。
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